笹かまぼこは、伝統的な味を守りつつ様々な亜種も登場してきていることから、食べる人によっては評価が分かれる部分もあります。しかし仙台のお土産というと、やはり笹かまぼこは外せません。

笹かまぼこはどのような食べ物なのか、そしてその種類や魅力について紹介していきましょう。

仙台の伝統的な食べ物として有名

漁場地として品質の高いかまぼこが作られる

都市部として有名な仙台ですが、漁場が発達しているという立地環境であるため、以前から海の幸に恵まれていました。大量に獲れた魚たちは、全てを消費できるわけではないため、それを保存する必要があります。その過程で保存方法の一つとして作られたのが、すり身にして焼くかまぼこです。

このような立地的な背景があったことから、かなり前から仙台のかまぼこは高い品質を保っていたと考えられます。

現在でも仙台は漁場であることから新鮮な魚が多く仕入れられており、そこで作られる笹かまぼこも品質が高く美味しいことで有名になっています。

江戸時代からの伝統がある

日本の歴史上において、かまぼこ自体は平安時代から存在していたことが知られています。では当の笹かまぼこはというと、江戸時代にまでその歴史を遡ることができます。

笹かまぼこ黎明期には、その名称は統一されていませんでした。舌のような形にも見えることから「べろかまぼこ」と呼ばれていたり「手のひらかまぼこ」と呼ばれていたりしたようです。しかし縁起物の一つである笹や、当時仙台の藩主であった伊達家の家紋とかけている部分から、笹かまぼこの名称が一般的になりました。

江戸時代から数百年経った今では、長い歴史を経て、笹かまぼこの名前は全国区になっています。

笹かまぼこの美味しさの理由を追求

高級な魚が使われている

笹かまぼこは、なぜ一般的なかまぼことは違って美味しいと感じるのか。それには幾つかの理由が存在しています。その一つとして、高級な魚が使われている点が挙げられるでしょう。

普通、かまぼこなどの練り物にはやや品質の低い魚が使われることが多いです。しかし笹かまぼこの名店などでは、素材の良さを重視して高級な種類の魚でなおかつ品質も上級のものを使う傾向があります。

良い素材を使えば、当然のことながら美味しいものを作ることができます。この素材選びが、笹かまぼこの美味しさの大部分を作り出しているのです。

こだわりの技法で作られる

食べ物は素材の良さはもちろん、それを作る際の技術によっても味が左右されます。笹かまぼこの美味しさを作るもう一つの要素であるのが、こだわりの技法で作られているという点です。

かまぼこなどの練り物は、調味料の配合はもちろん、すり身を作る段階とそれを形成して焼く段階の技術力が美味しさに影響します。笹かまぼこは魚のすり身が滑らかになるまでしっかりとすり潰され、そして炭火などでじっくりと旨味が出る方法で焼かれます。

このような生産者のこだわりの技法によって、香り高く食感も良い笹かまぼこが作られていくのです。

伝統の味以外も！笹かまぼこのバリエーション

チーズ入りや燻製の笹かまぼこが人気

笹かまぼこは伝統的なシンプルなものも人気がありますが、ちょっと変わった種類の物も人気です。

そんなちょっと変わった笹かまぼこの亜種としては、チーズが入っていたり笹かまぼこそのものを燻製したりした製品が登場しています。これらの笹かまぼこも高い人気があります。

さらにシソやエビ、牛タンなどが入ったものもあり、伝統の味だけではなく時代に合わせて笹かまぼこのバリエーションは広がりを見せています。基本の一品を味わうのも良いですが、これらの亜種を食べるのもお勧めです。

アレンジレシピも増えている

笹かまぼこは基本の味付けがなされていますので、買ってすぐに食べるも良し、ちょっと炙ってから食べるも良しの製品です。ですが、さらに調理をしてより美味しさを引き出すというアレンジレシピも増えています。

シチューに入れてみたり、チーズと合わせて焼いてみたりなど、専門店からアマチュアの料理家まで様々な人が笹かまぼこをアレンジしてレシピを作り出しています。普通に食べるだけでも美味しいですが、もう一手間加えることでもまた違った味わいを感じることができます。

初めて笹かまぼこを食べる方には、そのままもしくは炙ったりわさび醤油をつけたりする基本の食べ方をお勧めします。ですが何度か食べたことがある方には、少しアレンジして調理したものも食べてみていただきたいです。

まとめ

笹かまぼこは、その歴史や素材、そして生産者のこだわりなどによってかまぼこなのに上品で魚の風味をふんだんに味わえる一品となっています。

誰かへのお土産としてはもちろん、自分自身へのお土産として買ってみるのも良いでしょう。

海の味覚ではずせないのはこれ！　→松島・三陸の名物：牡蠣とほやの魅力を語らせてくれ